2017~2019年にバンコクに8回のプチ移住を経験したアラ古希ファンキーオヤジが、その費用がどの位掛かるのか検証してみました。
家賃・生活費は毎月発生しますが、渡航費は何か月滞在しても往復1回なので滞在期間が長い程割安になります。
ここではシニア層の夫婦2人がバンコクの中心地スクウィンビット周辺でのプチ移住(2ヶ月)を想定して試算しています。
渡航費
渡航はLCCを利用
フルサービスキャリアかLCCか、あるいはマイル特典航空券のを利用するか、選択肢は3つありますが、
昨今の燃費サーチャージ(燃サ)の高騰によりフルサービスキャリアはもとより燃サを徴収される特典航空券も割高になり、現時点(2022年秋)ではLCC一択と言っていいでしょう。
LCCだけでもバンコク便を飛ばしている会社は何社もあり、会社・空港・搭乗日・予約日によりチケット代は大きく異なります。
最近はJAL100%子会社のLCC・ZIPAIRの評判がピカいちです。
渡航費5.3万円で試算
プチ移住するシニアは「出発日は絶対この日、帰国日はこの日でなければならない」というようなことはないはずなので、
大まかな日程を決めたら早速希望出発日・帰国日前後でチケット代が安い日を探し予約を入れましょう。
チケット代は日々変動します。搭乗日が近づくにつれて安くなることもありますが高くなっていくのが一般的です。
3万円から10万円と幅がありますが、ここでの試算ではチケット代5万円+国内バンコク市内交通費3,000円、合計53,000円とします。
家賃
選択肢は2つ
バンコクで外国人が“滞在”・“宿泊”ではなく“住む”場合、以下4ルートが考えられます。
① ホテルの長期滞在割引を利用(10万円~30万円)
楽チンで比較的リスクが低いですが、10万円以下では見付け難いでしょう。
② 個人所有のコンドミニウムの一室を賃借(5万円~15万円)
バンコク市内に数十軒ある日系不動産会社で斡旋してもらいます。
オーナーが日本人のこともあります。オーナーは1年以上の長期契約を望む傾向がありますので、1~3ヶ月だと選択肢は狭まらざるを得ません。
また、基本的家具は付いているのが一般的ですが、シーツや枕・タオル・鍋や食器は自分で手配となることもあります。
定宿と決め次回来る時まで預かってもらえるならいいですが、次回の予定が決まっていないのであれば、全て揃っている物件を選びましょう!
東京では30万円するようなプールやジムを備えているタワマンにもバンコクなら10万円位で住めてしまいます。予算に余裕のある方はどうぞ!
③ 賃貸用マンション・アパート(年3万円~10万円)
上記②の日系不動産会社では斡旋していない物件が多いですし、現地不動産会社では言葉の問題があり、気軽に相談し辛いですね。
そこで頼りになるのが日本食屋等に置いてあるフリーペーパーです。
ホテルのような豪華さはありませんが三ツ星クラスホテルのクオリティーの物件があり、お勧めです。簡単なサービス(週1~2回の掃除・ベッドメイク・タオル交換)が付いている物件もあります。
④ Airbnb(3万円~15万円)
所謂民泊ですが、ネット予約するのは当たり外れ(リスク)が大きく、あまりお勧めできません。
以上より②か③のルートで探すことになるでしょうが、ここでは家賃を6万円で試算をします。
タイ国内の他の地域と比べるとバンコクの家賃はとても高いと言われますが、東京との比較では半額~1/4程度でしょう。
6万円でサービスも付いたそこそこの物件に住めるのは大きなメリットね!
下見は絶対必要
プチ移住も一応“移住”そこに“住む”訳ですから、ネットやパンフレットだけで安易に決めてしまうのはリスクが大き過ぎます。
入居後「こんなハズではなかった」となっても後の祭り、転居することを回避するには下見が絶対必要になります。
万全を期すのであれば、1週間程度事前に下見旅行ができればいいですね。
いきなりならば、事前にネット予約するのではなくバンコク到着後少なくとも2~3泊はホテルに宿泊し、自分の足で精力的に物件内見をするべきです。
賃貸用アパートに決定
アラ古希ファンキーオヤジは何か所か渡り歩きましたが、最終的にはフリーペーパーで知ったSitara Placeというアパートに落ち着きました。
当時の為替レートでは55,000円でしたが、現在のレートだと60,000円を超えるかもしれません。45㎡掃除ベッドメイク/週1回、タオル交換/週2回が付いていました。
アラ古希ファンキーオヤジがバンコクにプチ移住していたのは還暦を過ぎた頃でした。
その後、Marriott Bonvoy Amex Premium カードに出会い、今はマリオット系ホテルのラウンジで優雅にホカンスを楽しむ旅が主流になりました。
食費
調理器具・調味料等を1~3ヶ月の為に日本と同じように揃え、本格的に自炊することは現実的ではないので、外食を中心に簡単な自炊を前提に試算します。
朝食
シニア夫婦ですので、朝からガッツリ食べることは想定せず、自炊するとしてもせいぜいトーストにハムエッグとサラダ、コーヒー程度でしょう。
あるいは、前日にコンビニかパン屋で買っておいたおにぎり・サンドウィッチ・菓子パン。
和食派の方は、日系スーパー(フジスーパー)で納豆・焼海苔・魚を買い、味噌汁を作ることも出来ますが、少々費用が嵩みますね。2人で300円から800円位です。
ホテルの豪華な朝食ビュッフェもたまにはいいけど、アラ古希やアラ還にはパン一切れでいいもんね。
昼食
月の1/3は外食として、ショッピングモールのフードコートでローカル食が1人400円、ちょっと美味しい日本食の定食を食べて1,000円。
バンコクには巨大ショッピングモールやショッピングセンターがたくさんあって、そこには必ずフードコートがあるのよね。屋台メシが屋台より1~2割高いけど清潔なテーブルで食べられるのがいいわね!
月の2/3は日本から持ち込んだ麵類(ラーメン・蕎麦・うどん・そーめん・パスタ)が、日本で支払い済ですが、1人200円前後ではないでしょうか。
夕食
1ヶ月30日を下記のように分類して試算してみました。
① 月に1回ちょっと贅沢をして、ソンブーン等有名店へ行って、2人で5,000円
② 月に1回居酒屋で一杯やりながらの夕食、2人10,000円
③ 週に1回大手日系チェーン店(大戸屋・CoCo一番・8番らーめん・やよい軒等)1人1,500円
④ 残り24日は、自炊。フジスーパーで総菜や冷凍食品を買って来たり、カレーライス等なら作れるでしょう。ご飯はパックごはんでもいいし、炊飯器があれば炊きましょう。
ざっくり言ってですが、2人で1食800円位でしょう。
バンコクでは日本と全く同じ食生活が、日本より少し安いコストで実現できるのです!
食費合計
朝食:500円×30日=15,000円
昼食:(400円×6日+1,000円×5日+200円×20日)×2人=22,800円
夕食:5,000円×1日+1,500円×4日+10,000円×1日+800円×24日=40,200円
合計:78,000円
78,000円が高いか安いかは人によって感覚は違うでしょうし、この食生活が贅沢か質素かも受取り方は人それぞれですが、外食も結構取り入れているのでまあ標準的なサンプルだと思います。
日用品費
ティッシュ・トイレットペーパー・石鹸・シャンプー等は生活していれば何処にいても必要な経費ですが、肌感覚的には3割程度タイの方が日本より安いです。
仮に1ヶ月日本で10,000円、バンコクではその7割で7,000円とします。
交通費
バンコクの中心地でアパートを借りての生活圏は、東京で言えば広く捉えて山手線の内側、スクウィンヴィット周辺ならば渋谷から池袋の距離と考えていいでしょう。
交通手段はBTS・MRT(地下鉄)の電車が主になり,キップ代は70円~200円。
タクシーやGrabを使っても150円から1時間以内なら2,000円も掛からないでしょう。
2人で月5,000円みておけば十分だと思います。
今回のプランはBTS(スカイトレイン)スクウィンビット通り(サイアム⇄オンヌット)とMRT(地下鉄)ラチャダーピセーク通り(スティサン⇄シーロム)に住まうことを前提にしています。
東西南北半径5㎞位の狭い地域を想定しています。東京で言えば渋谷⇄池袋、新宿⇄銀座が生活拠点といったイメージです。
通信費
スマホは必携
シニアとはいえ、今どきスマホ(スマートフォン)を持たずに海外に飛び立つ人はいないと思います。
コロナ禍の折はMy SOSをインストールしたスマホを持っていない人は入国出来ませんでした。
バンコク市内はホテル・ショッピングモール・コーヒーショップ等でフリーWiFiを利用できる場所も増えていますが、いちいち設定するのは煩わしいものですね。
日本の通信会社の回線使用は割高
日本で契約している通信会社の回線をそのまま利用することもできます。
DocomoのAhamoのように海外でも追加料金無しで使えるプランもありますが、自動的にローミングサービスに切り替わる場合、1日当り3,000円近く請求されることもありますので、注意が必要です。
また、日本でレンタルWiFiを契約してくる方法もありますが、1ヶ月を超えるプチ移住だと割高になります。
現地対応のSIMカードが安くて便利
安くて便利なのは、お手持ちのスマホをSIMフリーにしておく必要がありますがSIMカードを差し替える方法です。
SIMカードは日本でAmazon等ネットショップで購入する方法、バンコクの空港の通信会社のブースで購入する方法、街の通信会社ショップ・コンビニで購入する方法があります。30日間5GB1,000円からあります。
アパートに無料WiFiがあれば、アパートではWiFi、外出時はフリーSIMを使う方法がベストですが、アパートに無料WiFiが無ければ、容量(GB)の大きいSIMカードを買えばいいでしょう。
アパートのWiFiの有無により、状況は変わりますが、2人1ヶ月4,000円みておけば、大丈夫でしょう。日本で契約している回線は最安プランにして、残しておくのが良いと思います。
↓↓↓アメリカでの海外用SIMカードの失敗談ですが、参考にご覧ください。↓↓↓
娯楽
マッサージ
マッサージ天国のタイでは街のいたるところにマッサージ店があります。
質の高いマッサージをとても安く1時間600円から1,200円位で受けられので、この恩恵を享受しない手はありません。
バンコクでは1回2時間が一般的でボディマッサージが2,000円前後、フットマッサージが1,500縁前後、オイルマッサージが2,500円前後です。週1回・月4回で10,000円/月です。
小旅行
近場の観光、日帰りのバス旅行を月1回するとして、ざっくり2人10,000円とします。
その他
光熱費は物件によりマチマチですが、今回の試算では家賃に含まれているものとします。
医療費はクレカの付帯保険を活用するものとします。
バンコクの生活費の発表
① 渡航費:53,000円×2人÷2ヶ月=53,000円
② 家賃:60,000円
③ 食費:78,000円
④ 日用品費:7,000円
⑤ 交通費:5,000円
⑥ 通信費:4,000円
⑦ 娯楽費:20,000円
総合計:227,000円
奇しくも生命保険協会が発表している「夫婦2人世帯の老後の生活費用の目安は、最低日常生活費が約22.1万円、ゆとりある老後生活費が約36.1万円」の最低日常生活費とほぼ同額でした。
今回8回のプチ移住の経験を踏まえた試算は外食の機会もたっぷり取り贅沢とまでは言えませんが余裕のある生活を確保しています。
協会が言うゆとりある老後生活費の方に該当すると思います。従って、日本の最低日常生活費でバンコクではゆとりある老後生活を送れる、と考えられるのではないでしょうか?!
今回のプランはシニアがストレス無くゆとりを持って生活することをコンセプトにしています。
プチ移住の目的が生活費の節約であれば、ここから3割位は節減できるのではないでしょうか?
まとめ
異国情緒・非日常感と解放感に浸りながら、快適な生活を送り、その費用は日本とほぼ同額です。
日本で暇を持て余しているシニア、日本で生き甲斐が見つからないと嘆いているあなた、勇気を出して一歩前に踏み出してみてはいかがでしょうか!
またプチ移住したくなってきっちゃったわ!